旅前の記録

旅前の記録

「非日常を作る」
単純かもしれないが、これが旅に出る理由。
会社員としての普段の生活は、ともすると自宅と会社の往復がメインのルーティンになりがち。放っておけば、すぐに変化に乏しく予定調和でモノトーンな生活になってしまう。それはそれで楽かもしれないが、単調さに感覚が麻痺していく。だから、時折目先の環境を変えて非日常を作り、自分に刺激を与えたくなる。それには、旅がうってつけだと思う。
今回の行き先は、オーストラリアのケアンズ。「旅に出る」などと嘯いておきながらのド観光地行きは少々格好悪い気もするが、主な目的は、キュランダという郊外の町にあるAustralian Butterfly Sanctuaryという蝶の温室施設。物心ついた時からの蝶好きである自分にとって、蝶に囲まれることは大きな楽しみ。それが、図鑑でしか見たことのなかった蝶が飛び回る温室となると、余計に期待も膨らむ。モノトーンな日々への、カラフルな一撃となるにちがいない。ホームページでは「南半球で最大」だとも謳っている。
南半球で最大ったって、そもそもライバルがどの程度いるのか!?なんか旅行ガイドにも名前ぐらいなら大抵載ってるし、子供騙しの中途半端な観光スポットではあるまいな...などという一抹の不安には蓋をしよう。期待が外れたら、それはそれでネタにすればいいか...そんなしょうもない惑いを覚えつつ、不惑手前の男は、夏を迎えたオーストラリアなる非日常へと出発する。